現代の重犯罪の数々はこんなに罪が重い

定年間際の私も、最近の重犯罪の多発には
目を覆いたくなってしまいますが、その罪の軽率さを見ていると
そもそも罪の重さというものが、あまり知られていないため、
軽率に重犯罪が行われているようにも感じてしまいます。

保険金目当ての殺人、大人が子供を殺すといった凶悪な事件が多いのも、
社会のはけ口が誰かへ転嫁されている
現在の世の中の縮図なのでしょうか……。

重い罪の犯罪は、昔から殺人、放火、誘拐……などと
言われてきましたが、実際の刑罰は以下のようなものになります。

（殺人）
第199条
人を殺した者は、死刑又は無期若しくは５年以上の懲役に処する。

（現住建造物等放火）
第108条
放火して、現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物、
汽車、電車、艦船又は鉱坑を焼損した者は、死刑又は無期若しくは
５年以上の懲役に処する。

（強盗）
第236条
暴行又は脅迫を用いて他人の財物を強取した者は、強盗の罪とし、
５年以上の有期懲役に処する。

（強姦）
第177条
暴行又は脅迫を用いて13歳以上の女子を姦淫した者は、
強姦の罪とし、３年以上の有期懲役に処する。
13歳未満の女子を姦淫した者も、同様とする。

（強盗強姦及び同致死）
第241条
強盗が女子を強姦したときは、無期又は７年以上の懲役に処する。
よって女子を死亡させたときは、死刑又は無期懲役に処する。

どれもとても重い罪ばかりです。
たとえば、強盗犯人が、強姦して故意に殺したら、
強盗殺人(240条)と強盗強姦(241条)の双方の罪が成立し、
相対的に重い強盗殺人の刑(死刑又は無期懲役）で罰せられます。

ちなみに、子供を親や祖父母が殺した場合、
アメリカでは、警察を殺すことの次に、子供を殺すことが重罪となっているのに対し
日本では刑罰が軽くなっています。

これは日本の戦前に尊属殺人罪あった名残りで
親や祖父母殺すと他の殺人より罪重かったのが戦後に憲法違反で廃止されたものの、
親が子殺す、祖父母が孫殺すのは罪軽いんですようになっているようですね……。

どうしても、切羽詰って犯罪を犯す……というのが
昔の一般的な犯罪でしたが、最近は、一時の思いつき、
思い込みで一線を越えているケースが
目に付きます。

犯罪が起こってから、処罰するばかりでなく、
もっとこうした罪の重さについて考えていく必要も
あるんじゃないでしょうか。

▼刑法の基礎と盲点