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定年をもうすぐ迎えるという方にお祝いと挨拶はどうする? その準備と現状、世の中の動向も含め、お届けします。
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●「孤舟」渡辺淳一著(集英社 1600円)

 大手広告代理店で出世街道を驀進してきた威一郎は、上席常務執行役員にまで上り詰め、満60歳で定年退職を迎えた。38年間も働き詰めてきたのだから、これからは自分の時間を自由に楽しもう。第2の人生を思い、気持ちは弾むばかりだった。

 ところが、いざ会社を辞めてみると現実はまるで違っていたのである。本を読んでも外国語を学んでも、目先の実用に役立つわけではない。スポーツクラブに通ったところで、仕事もないのに体ばかり鍛えても意味がないような気がしてくる。無限に続く自由時間に、不安といらだちが募る一方だった。しかも、かつては従順だったはずの妻が、威一郎の在宅をうっとうしいと思っている様子。会社勤めの間は家に居つかなかった夫がいてくれるのだから、喜ぶべきことのはずなのに。そしてついにある日、妻は「私はあなたの部下ではない」と言い残して家を出てしまう。ひとり取り残された威一郎の運命は……。“男女小説”の第一人者が、老いた後の家族や夫婦のあり方を描いた注目作である。

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